表面利回りは物件の収益性を簡単に数値で表すことができるので、わかりやすい指標の一つです。
もちろん投資商品なので利回りは高いに越したことはないですが、実は不動産投資において単純に高い表面利回りだけを求めてしまうと、かえってリスクを伴う可能性もあるので注意が必要です。
今回は不動産投資における高利回り物件の落とし穴とその理由についてみていきましょう。
高利回り物件の落とし穴
まず初めに不動産投資における表面利回りについておさらいします。
表面利回り
表面利回り(%)=年間収入/購入金額×100
上記の計算式を見てわかるように、1年間の家賃収入に対して購入価格を除しているので、家賃が高く、収入が多く、購入価格が安い物件ほど表面利回りは高くなります。
これだけをみると一見お得な物件ですが、実際このような場合にどのような注意が必要なのでしょうか?
【周辺相場より賃料が高い場合】
家賃は通常、[駅徒歩・物件のクオリティ・階数など]を鑑みた周辺相場によって決められます。
なぜなら賃料決定権があるオーナーにとって、わざわざ入居者がつきにくいような賃料設定をするメリットがないためです。
逆に何らかの原因で賃料が周辺相場より高く、利回りが高くなっていた場合、入居者がつきにくく空室の期間が長引き、最終的には賃料を安くせざるを得ないリスクが高まります。
【価格が著しく安い場合】
価格はローンを活用して購入する場合、通常、銀行の審査のもと融資可能額によって決まります。
そのため、もし価格が同じような周辺物件より著しく安い場合、瑕疵やハザードマップにかかっているなど何らかのリスクが示唆されている可能性があります。
安心して運用を行うためにも事前に確認しておくことが大切です。
【管理費等のコストを加味していない可能性】
先述のとおり、通常、ローンを活用する場合、銀行の審査によって価格が決まるので利回りが突飛な数値になることは考えにくいです。
しかし、表面利回りは計算式上管理費などのランニングコストが考慮されないので価格が適正であっても表面利回りが高くなることも考えられます。
そのため、「期待していた運用成果と違った」なんてことにならないよう、事前に正確なシミュレーションをすることが大切です。
まとめ
今回は不動産投資における高利回りの注意点についてみてきました。
もちろん表面利回りはわかりやすいですし、目先より高い運用成果を生む物件を探すためには有効な指標でしょう。
しかし不動産投資は長期間の運用になるので、本質的には少なくとも5~10年先にどのような成果を生むかという視点を持つことが大切です。
実際購入時に周辺相場より賃料が安く、表面利回りが低かったとしても、後々賃料が上がり想定以上の運用成果を出すケースもあります。
弊社では不動産投資の基礎知識から、応用まで幅広い世代の方に活用しご案内しておりますので、お気軽にご相談ください。
ライフコンサルティング事業部
コンサルタント
篠倉共晶

兵庫県加古川市出身。学生時代は中高大と部活動で野球に打ち込み、大学ではライブハウスでのバンド活動も並行して行う。
大学卒業を機に上京を決意し、社会人として周りよりも早く成長したいという思いでラクサスマネジメント株式会社に新卒入社。
実力主義の環境でトライアンドエラーを繰り返しつつ、未経験での営業活動に日々奮闘している。
趣味はギターを弾くことと銭湯に行ってサウナに入ること。